市場調査において、適切な対象者を見つけることは成功の一つの要素です。
インターネットが普及した現代でも、人とのつながりや紹介を基盤とする「機縁リクルート」は、その独自の強みを発揮しています。
本記事では、機縁リクルートのメリットとデメリットを掘り下げ、どのような調査でその真価を発揮するのかを解説します。
目次
「機縁リクルート」のメリット
機縁リクルートは、単なる条件合致に留まらない、質の高い対象者確保を可能にします。
1)深い関係性に基づく的確なターゲティング
リクルーターが候補者一人ひとりに直接連絡を取り、電話や対面で丁寧なコミュニケーションを取ることで、単なる表面的な条件だけでなく、その人のライフスタイル、興味関心、潜在的なニーズ、そして調査への参加意欲までを深く把握できます。
これにより、調査目的と条件に完全に合致する、質の高い「最適な」対象者を選定することが可能になります。
2)高い参加意欲と低キャンセル率
リクルーターとの間に信頼関係が構築されるため、参加者側にも「紹介された責任感」や「期待に応えたい」という意識が芽生えやすくなります。
結果として、直前のキャンセルや無断欠席が極めて少なく、調査の実施が非常にスムーズに進む傾向があります。これは、Webリクルートと比較して顕著な強みです。
3)人脈を活かした特定層へのリーチ力
特に、Web上では情報が少ない、あるいはアンケートサイトの利用率が低い若年層(中高生や大学生の一部)、特定のコミュニティに属する人々、あるいはオンラインでの募集に抵抗がある層(例:高齢者の一部、情報感度の低い層)に対して、機縁リクルートは絶大な力を発揮します。
例えば、主婦層からの紹介を通じて、そのお子様や友人など、Webではアクセスしにくいターゲット層にアプローチできるのはこの手法ならではのメリットです。
4)BtoB系(特定の職業)に強い
機縁法がよく使われる内容として「特定の職業」というのがあります。
一般的にわかりやすい職業ですと、皆さんもお知り合いがどんなお仕事をしているか覚えているかと思いますが、そういった職業の方は機縁法ですと人づてに探しやすいです。
直近での事例ですと、美容師、トリマー、ヨガインストラクター、アパレル店員、学校教師、20-30代の経営者、配達ドライバー、レジ打ちのパートさん、不動産業界の営業の方、Amazonに出店されている方、ブルーカラーの方、社内ITインフラの決裁権を持っている方を調査対象者として集めました。
「機縁リクルート」のデメリット
一方で、機縁リクルートには、その特性上、避けられない課題も存在します。
1)時間と労力を要するプロセス
一人ひとりの候補者に対して、リクルーターが丁寧にコミュニケーションを取り、条件確認、意向確認、スケジュール調整などを行うため、膨大な時間と人件費を要します。調査対象者の数が多ければ多いほど、また条件が複雑になればなるほど、募集から選定までの期間が長くなり、迅速な実施が求められる調査には不向きな場合があります。
2)デリケートなテーマでの情報収集の難しさ
リクルーターと参加者の間に直接的な人間関係が介在するため、金銭状況、性に関する意識、病歴など、極めてプライベートでデリケートな内容について、参加者が本音を語りにくいという心理的な障壁が生じやすいです。
匿名性が高いWeb調査と比較すると、踏み込んだ深掘りや率直な意見の収集が難しい場合があります。
3)規模拡大時のコスト効率の課題
シンプルな条件で大量の人数(数百名以上など)を短期間で集める必要がある場合、一人ひとりに対するコミュニケーションと選定プロセスがボトルネックとなり、Webリクルートと比較して単価が高くなる傾向があります。
人件費が主要なコストとなるため、広範なターゲットを効率的に集める場合には、費用対効果が悪くなる可能性があります。
「機縁リクルート」についてのまとめ
機縁リクルートは、「質の高い」特定のターゲット層から、深層的なインサイトを得たい場合に最適な手法です。
特に、Webではリーチしにくいニッチな層や、特定のコミュニティに属する人々、あるいはきめ細やかなサポートが必要な調査において、その真価を発揮します。
しかし、時間とコストがかかること、デリケートなテーマには不向きであることなど、その限界も理解しておく必要があります。
調査の目的、対象者の特性、予算、納期に応じて、次回解説する「Webリクルート」と「機縁リクルート」それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、最適な手法を選択、あるいは両者を組み合わせることで、最も効果的で費用対効果の高い調査実施を実現できるでしょう。
【記事の内容やインタビュー対象者のリクルートに関するご相談先】
パイルアップ株式会社
東京都渋谷区南平台町16-25 養命酒ビル
担当:小峰
Tel:03-6328-2884
E-Mail:info@key-en.jp
URL:https://pile-up.jp/